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「実践フットケア研究会」の立ち上げとその連携ネットワークついて
近年、高齢者および糖尿病を代表とする内分泌系疾患の急増により、動脈硬化や閉塞に起因する下腿の難治性潰瘍患者が増えています。これらの下腿潰瘍は非常に難治性であるだけでなく、感染が高度になると死に至る危険性もあります。このため多くの症例でやむなく下腿切断が行われ、患者さんのQOLを大きく障害しています。このことは患者さんに多大な苦痛を与えるだけでなく、病院の評判の低下や在院日数の大幅な延長などにより、それらの治療を行う病院にも大きなマイナスをもたらしています。このため、フットケアを含めた足病変の治療を行う病院が不足し、多くの患者さんが行き場を失っている現状があります。
私共はこれらの問題を解決すべく、4年前に「福岡県南実践フットケア研究会」を立ち上げ、勉強会や講演会および実技研修を行いながら密な地域医療連携の組織作りを行ってきました。このような医療連携の組織作りによって地域でのチーム医療を行うことで、患者さんのニーズに合った実践的な医療が行えるだけでなく、それぞれの病院における在院日数の短縮を計ることで、採算性においてもマイナスが出ないようなシステムを構築して参りました。すなわち、患者さんにとってもその治療を行う病院や医院にとっても利のあるシステムでなければ、今後この分野の医療は衰退してしまいます。今後も多くの病院や医院および施設の本研究会への参加を募って参りたいと存じますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
総監修 久留米大学形成外科・顎顔面外科
教授 清川 兼輔